このドキュメントでは、Caché と BMC PATROL の新しいインタフェースを説明します。
BMC PATROL は、さまざまなソフトウェア・システムの監視、および管理を行うツールです。ユーザが Caché に関する情報を監視し、その情報を収集するために、Caché は PATROL 拡張機能を提供します。
このインタフェースを使用して、ユーザは PATROL コンソールから 1 つ、または複数の Caché システムのメトリックを監視することができます。インタフェースが、メトリック値の収集し出力するには、PATROL デーモンが Caché システムで起動している必要があります。 そうすれば、Caché のナレッジ・モジュール・ファイル (*.km) が PATROL コンソールにロードされ、これらのメトリック値を読み込み表示します。
このドキュメントでは、以下に関する情報を提供します。
Caché での PATROL の実行方法
監視を行う Caché への各インストール上で、Caché 提供のシステム・クラス・メソッドを使用して、またはシステム開始時に自動的に実行するように設定することで、^PATROL Caché ObjectScript ルーチンを実行します。
ルーチンは既定で、Caché の管理ディレクトリ c:\CacheSys\mgr にある、メトリックをファイル patrol.dat に出力するバックグラウンド・プロセスで実行します。ファイルは、各コレクションごとに再記述されているので、ファイル・サイズは変化しません。またファイルには、識別用のヘッダとタイムスタンプが含まれているので、PATROL コンソールは、ファイルが現在アクティブで最新のものかを判断することができます。
Caché で PATROL を実行する方法は 2 つあります。
Caché PATROL システム・クラス・メソッド
Caché は、BMC PATROL を開始、または停止するシステム・クラス・メソッドを提供しています。このメソッドは、%SYSTEM.MonitorTools.BMC クラス内にあります。
PATROL を開始する方法は、以下の通りです。
 Do $System.MonitorTools.BMC.StartPatrol(Data,ProcessCount,Timer)
PATROL メソッド引数
引数 説明 既定
Data 出力する番号のタイプを示す、リテラル TotalDelta、および Rate Total
ProcessCount %SS 統計データを渡すために必要なプロセス数 20
Timer 秒数のコレクション 30
コレクションや表示更新が同時に行われるように、コレクション期間引数も PATROL コンソールに渡されます。
PATROL を停止する方法は、以下の通りです。
 Do $System.MonitorTools.BMC.StopPatrol()
自動 PATROL スタートアップ
Caché 構成マネージャ には、PATROL デーモンを自動的に開始するオプションがあります。
  1. Caché [構成マネージャ] を開始します (Caché キューブ・メニューから選択します)。
  2. [詳細] タブから [モニタリング] をダブルクリックし、フォルダを拡張します。
  3. [BMC Patrol] をダブルクリックして、Patrol の設定を表示します。
  4. [システム開始時に Patrol を開始する] を選択して、[変更] をクリックします。
  5. Caché 起動時に Patrol を開始するために、チェック・ボックスにチェックを付けます。
また、前のセクションで説明されている他の PATROL のルーチン引数を、上記のように変更することで設定することもできます。
Caché PATROL ナレッジ・モジュール
PATROL のアーキテクチャは、ナレッジ・モジュールの概念を基にしています。ナレッジ・モジュール には、一連のコマンド、監視用のパラメータ、および PATROL で使用されるアクションが含まれています。PATROL に対する Caché プラグ・インは、PATROL コンソールにロードした複数のナレッジ・モジュールから構成されています。
これらの KM が一度ロードされたら、コンソールは接続されたすべてのシステムで Caché インストールを自動的に発見しようとします。発見のプロセスは、NT のレジストリを検索し、UNIX や OpenVMS の ccontrol リスト からの出力を解析します。各 Caché インストールでは、patrol.dat ファイルが Caché マネージャのディレクトリに存在するか、またそのファイルのタイムスタンプが現在のものであるかを確認します。現在 PATROL に Caché メトリックを報告している Caché インストールは、PATROL コンソールに表示されます。
Caché モジュールを PATROL に追加する
Caché ナレッジ・モジュールをコンソールに追加し、それを作動させる方法は以下の通りです。
  1. [PATROL Console][File] メニューで、[Load KM] をクリックします。
  2. 既定で c:\CacheSys\Patrol の Caché Patrol ディレクトリにある、すべての *.km ファイルを選択します。
  3. ISC_CACHE モジュールが、[Console][Desktop] タブに表示されます。
  4. [ISC_CACHE] を右クリックし、[KM Commands] メニューから [Add Configuration] を選択します。
  5. [Add Configuration] ダイアログ・ボックスで構成名を入力し、インストール・ディレクトリとして Caché ディレクトリの C:/CacheSys を指定します。
  6. PATROL が Caché 統計情報を認識するには、30 秒 (PATROL の既定の同期期間) 程度の時間がかかります。
詳細は、"BMC Web サイト" を参照してください。
システムで他の Caché インストールが発見された場合、Caché に対するメイン・エントリ (Caché クラス) がシステム・エントリ下に表示されます。各 Caché インスタンス (そのシステムにインストールされた各 Caché 構成) は、Caché クラス下に表示されます。各 Caché インスタンス下には、Overview、Global、Routines、Disk Activity、Network、および Other の標準メトリック・カテゴリがあります。
以下はその例です。
- PATROLMainMap
  - TEST1
    - ISC_CACHE
      - ISC_Config_CACHE
        + ISC_DiskActivity
        + ISC_Global
        + ISC_Network
        + ISC_Other
        + ISC_Overview
        + ISC_Routine
カテゴリは拡張することができ、個別のメトリックを表示します。Overview 下のメトリックは、現在のレベルを示す基準です。その他は、時間を示すグラフです。
[Caché configuration] アイコンを右クリックすると、ユーザは Caché 特有のコマンドを選択して、[Remove Configuration] (構成を削除) するか、[Process Status] ウィンドウを表示することができます。
通常、すべての Caché インストールが自動的に発見されるため、構成を手動で追加する必要はありません。 しかし、特定のインストールで質問や問題が発生した場合は、手動で行うことも可能です。
Caché KM からのエラー・メッセージは、System Output ウィンドウに出力されます。自動的に検出されない Caché インストールに関する問題がないか、このメッセージを確認します。
BMC PATROL で使用される Caché メトリック
Caché のメトリックのリストは以下の通りです。
Caché PATROL メトリック
カテゴリ メトリック
Overview Global Refs (gauge)
Global Sets, Reads, Kills (graph)
Net Global Refs (gauge)
Net Global Sets, Reads, Kills (graph)
Routine Lines (gauge)
Routine Loads (gauge)
Locks (gauge)
Process Count (graph)
Cache Efficiency (graph) (= 100*(LogicalReads/(LogicalReads + Physical Reads)) )
Licenses Used (gauge)
Global Global Refs
Global Sets
Global Kills
Global Reads
Blocks Allocated
Locks
Successful Locks
Failed Locks
Job InGlobal
WD QueSize
Global AvailBufs
Que Gaccess
Que GaccUpd
Que GBFAny
Que GBFSpec
Journal Entries
Jrn FileSize
Jrn EndOffset
Tot Global Bufs
GThrottle Cur
GThrottle Max
GThrottle Cnt
Routine Routine Lines
Routine Loads
Routine Fetches
Disk Activity Physical Directory Reads
Physical U-Ptr Reads
Physical B-Ptr Reads
Physical Data Reads
Physical Routine Reads
Physical Map Reads
Physical Other Reads
Physical Directory Writes
Physical U-Ptr Writes
Physical B-Ptr Writes
Physical Data Writes
Physical Routine Writes
Physical Map Writes
Physical Other Writes
Logical Directory Reads
Logical U-Ptr Reads
Logical B-Ptr Reads
Logical Data Reads
Logical Routine Reads
Logical Map Reads
Logical Other Reads
Network Net Global Refs
Net Global Sets
Net Global Kills
Net Global Reads
Net Requests Sent
Net Cache Hits
Net Cache Misses
Net Locks
Net Retransmits
Net Buffer
Net GblJobs
Other Terminal Reads
Terminal Writes
Terminal Read Char
Terminal Write Char
Sequential Read
Sequential Write