Caché 5.0 には、新しいシステム・レベルの機能や、拡張された機能が多く含まれています。
主な新機能
今回のリリースでの主な新システム機能について、以下のセクションで説明します。
システム OREF サポート
Caché システム・コードは、メモリ内のオブジェクトのライフ・サイクルを管理することができ、現在は参照されていないオブジェクトを自動的にクローズします。開発者がこれらの処理を手動で実行する必要がなくなったため、アプリケーション開発が簡素化され、アプリケーションの信頼性が向上します。
詳細は、"リリース・ノート" の "オブジェクト参照のシステム・サポート" のセクションを参照してください。
ECP (Enterprise Cache Protocol)
Caché の今回のリリースでは、新しい分散データ管理システムである ECP (Enterprise Cache Protocol) を導入しています。ECP を使用して、複数の Caché サーバに同時に接続し、複数の異種システムを網羅する、単独の仮想データベースを作成することができます。ECP によって、ユーザは簡単に (アプリケーションを変更することなく)、優れた高可用性とスケーラビリティを提供するシステムを構成することができます。
ECP に関する詳細は、分散データ管理ガイド を参照してください。
ECP は DCP (Distributed Cache Protocol) の後継として、完全に再設計されたものです。ECP は以下の機能を提供します。
相互運用性
ECP は、他の ECP システムと相互運用するように設計されています。ECP 構成内の各サーバは異なるプラットフォームや、異なるオペレーティング・システムで動作できます。
従来のシステムとの相互運用性を提供するため、Caché は DCP のサポートを継続します。DCP と ECP は同時に使用できます。
強化された主な機能
今回のリリースでの主な新システム機能は、以下のセクションで説明しています。
BMC Patrol のサポート
Caché は BMC Patrol システム・モニタ のサポートを提供しています。
新しいライセンス・マネージャ
Caché はユーザやシステム使用法をより正確にカウントする、新しいライセンス・マネージャを提供しています。
クラスタに対する追加のサポート
Caché は、Tru64 UNIX 環境でクラスタに対するサポートを提供しています。
Caché クラスタ・サポートは現在、複数のロック・ツリーを使用して、クラスタ・ノード間の優れた負荷分散を提供します。
大規模なメモリ・モデルのサポート
Caché は、OpenVMS や HP-UX、IBM AIX で、大規模なメモリ・モデル (大規模なデータベース・バッファ) をサポートします。
追加の 64 ビット・プラットフォームのサポート
Caché は、IBM AIX と HP-UX の 64 ビット・バージョンをサポートします。
改善された並行処理
一般的に、リソースがグローバルに共有されていると、並行処理機能が高度なほど (1 システムに複数のユーザ)、よりよい結果を得ることができます。これは特に、複数の CPU システム上で実証されています。
追加のダイナミック構造
従来のバージョンでは、静的 (固定) 構造を使用して管理されていたリソースの一部は、構成処理を削減する動的な構造を使用するようになりました。例えば、ユーザの最大数は、今回のバージョンでは実行時に動的に決定されています。
ルーチン・インデックス
システムは現在、アプリケーション・コンポーネントの検索をより高速に、より効率的にするために、ルーチンのインデックスとクラス定義を保持しています。
JOB コマンドの改善
JOB コマンドは、多くのプラットフォームで高速化しました。
追加の DSM 互換性関数
追加の DSM 互換性関数が提供されています (追加の ZCALL エミュレーション)。
タスク計画のための新規システム・クラス
新規の %SYSTEM.Task クラスを使用して、ユーザは 1 日の異なる時間帯に実行するタスクを計画することができます。詳細は、クラス・ドキュメントを参照してください。