このセクションでは、Caché の今回のバージョンで導入された、新しいプログラミング言語機能について説明します。
世界中のプロ開発者の半分は、Basic プログラム言語に精通していると言われています。今回のリリースでは、開発者が Caché を使用して容易に開発できるように、スクリプト言語として Basic を追加しました。
Basic は Caché エンジン内でネイティブの言語として実装されています。 Basic のコードは、Caché ObjectScript から生成されたオブジェクト・コードと完全に互換性を持つ、効率的なオブジェクト・コードにコンパイルされています。構文は原則的に、Basic の VBScript 実装によって提供された機能のサブセットです。Caché クラスのメソッドを実装するために、Basic を使用することができます。Basic では、グローバルとオブジェクトに直接アクセスでき、Caché ObjectScript と相互運用できます。
Basic は、Caché でサポートされるすべてのプラットフォームでサポートされます。
Caché クラス内のメソッドの実装言語として、Basic を使用するように設計されています。Caché スタジオは、色付き構文などを含め、Basic の完全なサポートを提供しています。Basic を使用してメソッドを作成するには、メソッドの
language キーワードを
basic に設定するだけです。
Method MakeString(x As %Integer) As %String [language = basic]
{
txt = ""
For i = 1 To x
txt = txt & i
Next
Return txt
}
また、クラス・レベルの
language キーワードを
basic に設定すると、Basic をクラス内のすべてのメソッドに対する既定の言語として設定することができます。
Class MyApp.MyClass Extends %RegisteredObject [language = basic]
{
Method MakeString(x As %Integer) As %String
{
txt = ""
For i = 1 To x
txt = txt & i
Next
Return txt
}
}
Caché ObjectScript 言語の機能強化
今回のリリースでは、Caché ObjectScript 言語は以下の機能を強化しています。
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変数がオブジェクト参照を含むかどうかをテストする、新しい
$IsObject 関数を含む、オブジェクト参照に対するシステム・レベルのサポート。
-
ビット文字列での操作に対する、一連の新しい関数 (
$Bit を参照してください)。従来の開発者キットで利用できた
$Bit の 3 引数バージョン (bit、set、get) は、サポートされません。
-
新しい
Continue コマンド。このコマンドは、ループのボディの残りをスキップし、さらに実行するために開始地点に戻ります。